退職金の受け取り方は3つのポイントを考えろ

お金 第二の人生

退職金は受け取り方により手取りの金額が変わります。
それは退職金の受取時に課税される所得の算出方法が違ってくるからです。

一般的に退職金は、一時金で受け取る方が手取り金額は多くなります。
しかし、早期退職優遇制度で多額の割増がある退職金を受け取る人は、一時金受け取りで優遇された所得計算をしても多額の税金支払いになり、一概に手取り額が、年金受け取りと比べて多くはなりません。
なので、退職前に受け取り方をよく考え、自身のライフプランにあった受け取り方を決める必要があります。

私は2019年に56歳で早期退職した際、資格を取っていたファイナンシャルプランナー(FP)の知識を使って、退職金受け取りの良い方法を検討した経験があり、周りから相談を受けることがあります。

そこで今回は、退職金の受け取り方を考える、3つのポイントをお伝えします。
なお、別の投稿※「早期退職時の退職金:一時金と年金支給で手取り額はこれほど違う」で、具体的な3つの事例から、より詳しく受け取り方を検証していますので、そちらも是非参考にしてください。

重要な3つのポイント

退職金は一般的に、受け取る方法が加算割増金等の必ず一括で受け取る部分を別として、3通りあります。
①退職一時金として、全て一括で受け取る
②企業年金として、全て分割で受け取る
③一括で受け取る部分と分割で受け取る部分に、振り分けて受け取る

この3通りの受け取り方によって、同じ退職金額でも手取り額は違ってきます。詳しくは、先ほど紹介した投稿※でお伝えしてますが、場合によっては手取り額で100万円以上変わるケースも出てきます。

なので、この受け取り方を、よく検討して退職前に決める必要があります。
その際に、重要になるのが、この3つになります。
①退職所得控除額
②課税退職所得額
③ライフプラン
この3つを、ご自身の場合どうなるのか。あるいはどう考えているのかを知っておくことが大事なんです。

①退職所得控除額とは、勤続年数に応じて退職一時金から所得を控除してくれる金額になります。つまりは、長く働いた人と短い人では同じ退職金額でも、課税する所得が長く働いた人が少なくなるように退職所得控除額が増えるような制度になっています。ご自身の退職所得控除額を把握しておくことが、退職一時金で受け取る時には、非常に重要なポイントになります。
計算式は、勤続年数20年以下なら(勤続年数×40)万円
20年超えなら(勤続年数−20)×70+800 万円

②課税退職所得額とは、次の章の図で解説してますが、支給された退職一時金から先ほどの退職所得控除額を引き、残った額の半額分の事を指します。この額に対して税率(5%〜45%)が決まり課税されるので、非常に重要な金額になってきます。具体的には、課税退職所得額が、900万円以下なら税率23%で、900万円超えなら33%になりますので、この900万円という額を目安に受け取り方を決めるのが良いと思います。ただし、定年退職者なら330万円以下の税率10%、早期退職者では1800万円超えの税率40%が判断材料になるかもしれませんので注意ください。

③ライフプランとは、受け取り方を検討するにおいて、ご自身の今後の生活に照らし合わせて家計を考えることが重要なポイントになります。つまり、この退職金を受け取るタイミングで教育費や住宅ローン返済が残っている人なら一時金で多く受け取り返済に回したり、老後資金が心配なら年金として分割で受け取る方を選び老後対策にするなど、ご自身のライフプランを考える良い機会として家計の見直しをすることが、私は最も重要なポイントだとお勧めします。

課税所得の算出方法

退職金の受け取り方を考えるにあたって、課税所得の算出方法を一時金の場合と年金の場合の違いを紹介します。
この算出方法を少し理解していると、受け取り方を選ぶ際に判断がしやすくなると思います。
そして一時金でも年金でも、課税所得に対して所得税と住民税がかかるので、この課税所得が少なくなれば手取り額は増えます。

まず、退職一時金は、先ほどの重要ポイントにも出てきたように、そのままの額面に税金がかかるのではなく、勤続年数に応じた退職所得控除額が引かれた上に、更にその半分の額面が課税退職所得額だと計算してくれる優遇措置が適応されます。

そして退職一時金にかかる税金は、分離課税として源泉徴収されます。つまり、支給された時点で受け取った額は、退職一時金支給額から所得税と住民税がすでに差し引かれており、その後通常は確定申告不要になっています。
更に社会保険料の算出のための収入からも除外されていますので、多額の退職金を受け取ったとしても翌年の保険料に影響はありません。なので、退職一時金で受け取ったあとは、何かの手続きをする必要がなく、非常にスッキリしています。

しかし、年金として分割で受け取った場合、毎年支給額から公的年金等控除額は引かれ受け取ることが出来ますが、年間を通じて、他の公的年金やその他の所得と合算され、各種控除額を差し引かれ課税所得となります。

つまり企業年金にかかる税金は、その他収入と合わせて累進課税となり確定申告をして所得税や住民税が決定されていきます。なので、個々の企業年金支給額に対してどれ程の税金が引かれ手取りとして、どれ程の金額なのかが分かりずらくなります。
ただ、算出方法を考えれば、年金受け取りでは課税所得がその他の収入と合算されているので、支払う税金も多くなるだろうと推測できると思います。加えて、社会保険料はこの企業年金も含めた収入に対して計算されるので、その点でも支払いが増え、結果的に手取り額は減ることになります。
そして何より、確定申告や年末調整などの手続きをする必要があるので、毎年煩雑な作業が出てくる場合が多いと思います。

キャッシュフロー表から創る ライフプラン(未来予想図)

退職金の受け取り方で課税所得の算出方法が違い、手取り額が変わってくることを紹介しました。
しかし、実際の受け取り方を考えた場合、その手取り額の違いよりも、ご自身のライフプランにあった受け取り方を選ぶことが重要になります。

つまり、こういった大きな転機がある時に、自己分析を行い、良い想像をして将来をシミュレーションし、夢を叶えていくことで、理想の人生を創っていくことが重要なポイントであると、私は考えています。
私自身も、早期退職した3年前には、このシミュレーションを何度も自分で行いました。そのおかげで、キャッシュフローで不安を感じたことはないですし、ライフプランも日々より良いものに更新しながら、実践できています。

私のライフプランを表した未来予想図を、参考までにお示しします。何度も書き直していますが、基本は、退職時に創ったキャッシュフロー表になっています。
この機会に、自身の家計を見直し、将来の想像をして予定をたて、シミュレーションをしてみてください。きっと、今後の人生の安定につながると、私はおすすめします。

ライフプランを考えるにあたり、具体的にご自身でキャッシュフロー表を作りたいときは、ファイナンシャルプランナーが所属する日本FP協会のHP「便利ツールで家計をチェック」を参考に作業してみてください。必ずお役に立つツールだとおすすめします。

まとめ

今回は、退職金の受け取り方を考えるにあたり、3つの重要なポイントをご紹介しました。
まずは、ご自身の①退職所得控除額を知り、受け取り方毎の②課税退職所得額から退職一時金にかかる税金を算出して、手取り額の違いを確認してください。
そして、この機会にご自身の③ライフプランを考え、キャッシュフロー表を作りながら、実際の退職金の受け取り方を選んでみてください。

なお、別の投稿※「早期退職時の退職金:一時金と年金支給で手取り額はこれほど違う 」でより詳しく、具体的な3つの事例から受け取り方を検証していますので、そちらも参考にしてください。
通常の定年退職者の場合なら、無税で退職金全額が受け取れる方法や、早期退職者でも130万円程税金を減らせる受け取り方などを、具体的な事例として紹介しています。

また、ご自身で税金の額を、詳しく計算をして検証したい方は、国税庁のホームページ「退職金と税」「高齢者と税」を参照に、ご自身の具体的な退職金支給額から算出して、確認をしてみてください。
そして先ほどの、日本FP協会の「便利ツール」を活用して、ライフプランにあった受け取り方を選んでください。

ご自身でシミュレーションを行い、キャッシュフロー表や未来予想図を作成することで、今後転職や家族の独立などライフプランが変更した際や、老後の生活に対応がしやすくなり、安心感に繋がると思います。
その作業は少し煩雑ですが、ぜひ時間をかけて実行してみてください。

セカンドライフアドバイザー Cocoha

最後に、当社セカンドライフアドバイザーCocohaでは、個別にご相談をお受けしております。
お気軽にご連絡を頂ければ、個別事情をお聴きできる範囲で整理して、さらに今後希望するライフプランをシミュレーションしながら、ご自身にあった提案をさせて頂きます。
お客様からは、将来への漠然とした不安が解消され、安心して夢実現に向けて取り組めているとの声も聞いています。
まずは無料で、ご相談をお受けしますので、下のリンクより返信をお願いします。
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さらに、当社Cocohaでは、ライフプランを考える時に、より良い人生を創造するためのマインドセットの方法として、世界的大ベストセラー「7つの習慣®」を読み解きながら、その教えを1年かけて少しづつ実践していく「7つの習慣実践会」という定期塾も開催しています。
参加者からは、この実践会が毎月あるおかげで、心の安定と将来への活力につながる、よい実践ができているとの声も聞いております。
ご興味がある方は、体験入塾もしていますので、下のリンクよりご連絡をお願いします。

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最後まで、ご精読いただきありがとうございます。